つわりと陣痛と新生児期、どれが一番嫌?



しんどい新生児期が終わったころ、先輩ママとした会話。彼女は三歳違いの二人の女の子のママ。妊娠、出産、育児ってほんとうに痛くて辛いことばかり!という話でひとしきり盛り上がったあと、


「つわりと陣痛と新生児期、どれが一番辛かった?」

と聞かれた。なかなか面白い質問だ。どれも辛かったと前置きした上で、

『つわりと新生児期が一番。これは順位をつけられない。』

と答えた。先輩ママはへえっという表情をしたあと、

「私は、妊娠と出産はもう一度してもいいけれど、新生児期はもうごめん。あれは本当に拷問"torture"だからね。」

と言った。"Torture"という言葉に思わず吹き出す。そうそう、まさにあれは拷問よ!


この先輩ママ他数名の経産婦曰く「つわりは何人生んでも同じだけれど、陣痛→出産は毎回楽になっていく」。では、もう一度同じ経験をするとしたら、どれが一番辛いかと考えてみる。つわりは同じで、出産は楽になって、新生児期は?か。

それならつわりが一番辛いかな。ミコ妊娠時、5週から20週の15週間つわりで5キロ落とした私。一日中船酔い状態で、食べ物(とくに生もの)を見ては吐く。炊飯器の湯気、キッチンのシンクに積まれたお皿、終いには食べ物のテレビCMにまで反応するようになる。唯一吐かずに食べられたトマトも吐くようになったときには、もうこのまま衰退して果てるのかと、ソファーに横になりながら、ぼんやり窓の外のサンディエゴの雲一つない青空を見上げて思ったものだった。

陣痛は、電気ショックを受けているような感じ。徐々に間隔を狭めながら突然やってくるその痛みは、「うわっー」とその都度叫びたくなるほどだが(実際は、省エネ戦略というか、体力的にしんどくて叫べなかった)、これはせいぜい半日間。終わりが見えているから頑張れる。

私生児期は何が辛いかというと、授乳と赤ちゃんの泣き声。朝夕問わず2−3時間おきの授乳は体力的にしんどい。それも産後の体の回復もまだの時。母乳が軌道に乗るまでに随分時間と痛み(傷、乳腺炎)が掛ったこともある。毎回授乳後、1時間も経たないうちに次の授乳時間がやってきていた。常に眠く、母乳が十分出ていないことに不甲斐なさを感じる日々。理由もわからず泣き叫ぶミコと向き合うのは授乳以上に辛かった。これをもう一度やるとしたらどうだろうと想像してみると、つわりよりは楽な気がした。一度経験したことにより、赤ちゃんの扱い方にも多少慣れているはずだし、新生児期は授乳以外は誰かにまかせて、自分は隙さえあれば寝る!ということを学んだのだ。


道で、赤ちゃん連れのママを見ると、思わずニッコリして、お互いの子を見あいこしてしまう。この、妊娠→出産→新生児期を乗り越えたもの同士として連帯感のようなものがあるようだ。