ベッドから落ちる
夜12時を回るころ、リビングルームでメイルを書いていると、ドスン!と大きな音が聞こえた。ミコがベッドから落ちたのでは!と急いでベッドルームに向かうが、泣き声が聞こえない。冷静に考えると、小さいミコが落ちたとしても、こんなに大きくにぶい音がするはずがない。きっと上の階の人が大きなものを落としたのだろうと、ベッドルームのドアまで行ったところでドアを開けずにリビングへ引き返した。
翌朝、ミコと同じように目を手でこすりながら起きてきたH君がぼそっと一言。
「僕、ベッドから落ちた。」
『え?』
「ベッドから落ちた。助けて!って言ったのに、君助けに来てくれなかった。。ひどい。。。」
昨日の音はH君がベッドから落ちた時の音だったのだ。H君の説明によると、ベッド上ででんぐり返しをし、ベッド横一メートル離れた洗濯ラックにオーバーヘッドキックをするように足から落ちたのだとか。洗濯ラックはステンレスの干す箇所数本がぐねんと曲がっている。
H君(大人)がベッドから落ちるということ自体信じがたかったが、洗濯ラックにオーバーヘッドキックをしながら落ちるというのはもっと信じられなく、しばらく思考停止状態に。私に移された風邪(熱、喉、咳)でバランス感覚を失っている状態のときに、回転する夢を見たという解釈で一応納得する。