所有意識


8ヶ月後半ごろから、近い月齢の子との絡みが増えてきた。ここ最近はオモチャの取り合いが流行。取り合いといっても、取っ組み合いをしてというよりは、なんとなく相手の持っているものに手が伸びて取ってみるといった感じ。取り合いっこを観察していて、所有意識について考えた。

現時点のミコには、「これは自分のオモチャ」、「あれはVラちゃんのお水」など、ものが人に所属しているという意識はない。彼女にとっては、自分の目についたもので面白そうなものすべてが「自分のもの」。すべて自分のものだが、一通り触って、ニギニギして、ナメナメしたあとはポイッ。所有時間は非常に短い。ポイした後、それはその他大勢の非所有物に戻る。これが相手がいると所有意識を持つ時間が多少長くなる。人が手にするものは面白いものに見えるらしく、しきりにそれを欲する。が、一旦手にして一通り確認作業をしたあとはまたポイ。執着心が無い。取られると、またそれが面白いものに見えて、取り返してみる。が、また確認作業後はポイッ。この時期の子にとってはすべてが自分のものであり、すべてが他人のものでもあり得るわけだ。素晴らしい。

今日本から遊びに来ている2歳3ヶ月のRオ君の所有意識はどうか。Rオ君の最近の口癖は「これは誰の?」。ものが誰かに所属しているということを理解しているのだ。すでに、ものには所属があるという人間社会の秩序を認識しているわけだ。Rオ君の成長を嬉しく見るとともに、その世界が狭められて行く過程を確認してちょぴりさみしく感じた。そして、「ミコちゃんの」という答えを聞いたあともオモチャを離さないRオ君をかわいらしく思った。