夏のローマ

夏のローマは空いている。なぜならローマ人にとってのvacanza (vacation)は長い夏休み。1ヶ月間休みをとって、きれいな海を求めて南へ北へ移動するのだ。そこでアパートを借りたり、あるいは家族親戚や友人の別荘に滞在してのんびり過ごす。

皆がみんなローマを離れるため、夏のローマは車も人も少なくなる。お店も閉まる。うちのアパートだけでも、いつもお世話になっている上の階の老夫婦はトスカーナへvacanzaに行っているし、その他の隣人も、同じ階のお隣さん(テンポラリーでローマ滞在中)以外おそらく誰もいない。ここ2週間、アパート内で誰ともすれ違いもしなければ、人の気配すら感じられないのだ。パン屋、個人食料品店、キオスクなどは8月一杯閉まっているところが多い。メルカート(市場)の店舗も客が少ないためか品薄。スーパーは通常通り空いている。

多少買い物に不便はあるものの、空いているローマはいい。普段は避けて通る排気ガスまみれの大通りも散歩コースに取り入れてみる。バスに乗っていて、(バスの運転手が)隣を前を後ろをびゅんびゅん走るバイクや、信号無視して横断する歩行者を敷かないかどうか心配する必要もない。この時期唯一不快なのは暑さ。ローマの家は、うちもそうだが、エアコンがない家が多い。東京に比べれば湿度も低く、まだしのげる程度なので文句は言うまい。

夏はローマで過ごすことにしよう。