Welcome back to ITALIA!

4週間(7/13-8/10)の一時帰国を終え、ローマに戻ってきた。

行きは日本航空で帰りはアリタリア。行きの飛行機では、乗った瞬間から、日本人の多さ、CAのサービススマイルとソツない言動に「ああ、もうここは日本だ!」と思ったが、帰りのアリタリアでも、同じく「ここはもうイタリアだ!」と思った。

頼んでおいたバジネットが出てこなかったり、幼児食(予約してある)を無い!と言われたり、さらに「持ってきて!」とお願いしても忘れられたりと。不思議とこれが全く腹が立たない。「ああ、イタリアに戻って来たんだ」と肌で感じるだけ。これを日本航空でされたら確実にむっとしてしまうだろう。

13時間のフライトのあと、さらなる"Welcome back to ITALY!" が待っていた。入国審査で10人ほどのイタリア人団体に割り込みされたのだ。あまりに、大勢で、当然のようにバギーの前に割り込まれたので、正当な理由があって割ってきたのだと(日本人的に)疑問をもたずにぼんやり見ていた。すると、「順番だろう!ちゃんと並べよ!」と日本語で怒鳴る声が後ろから聞こえてきた。

え?と思って振り返ると、H君が「ほら、君、ブロックして!割り込まれてるよ!」そこで、あ、そうなんだ、と気付く。それでも割り込もうとしている女の子に対して「ノー!」と言ってとおせんぼした。彼女は、先に割り込んできた人達を指差してイタリア語で「私は彼らと一緒にいるんだから!」とイタリア人独特のいい訳をしてきた(その彼らももともと割り込みしているのにもかかわらず)。咄嗟にイタリア語が出てこないので、英語で「皆並んでいるんだから、並ばなきゃだめよ。」と、当然でしょ!という顔つきで静かに言った。言葉を理解したかどうか解らないが、彼女は一瞬バツの悪い顔をした。結局割り込んだ列が外国人用だったので、一団はイタリア人列にまた割り込んで並び直すことになった。

飛行機ではイタリアに戻ってきた気分になっていたものの、私のマインドはまだ日本仕様になっていたようだ。日本で列に並んでいて、割り込まれることなんてまず無いが、イタリアでは日常茶飯事なのだ。

こういう時の対策は、イタリア語で頑張らず、英語で対応すること。純粋に言語的に圧倒的に不利ということがあるが、弁の立つ(論理だっているかは別にして)イタリア人にイタリア語で言い合いしても無駄なのだ。言い負かされて終わるだけ。英語で対応する意義は、英語を解するほどの教育水準の人なら、それなりに自分たちの行為を恥ずかしいと思わせられるし、解さなければそれ自体を恥ずかしいと思うから。イタリア人はヨーロッパ人の中でおそらく一番英語のできない国民だが、そのことを恥ずかしいと思っている人が多いのだ。そこを突くような嫌らしい対応は本来ならしたくないが、明らかにマナー違反な人達には仕方が無い。ミコにもこういうことをするような人間に育ってほしくない。

ちなみに、礼儀正しい私のイタリア語の先生は、こういう時、「あなたは教育を受けているんだから、そんなことしてはだめよ。」と言うのだそうだ。このフレーズ、今回は忘れていたけれど、次回さらっと使ってみたい。