アッシジ、フィレンツェへ


今月は、直前の思いつきで、週末+でアッシジ(Assisi)とフィレンツェ(Firenze)へ行ってきた。旅の備忘録を。


4月4-5日 Assisi (一泊二日)
ローマより北190キロ、ウンブリア州(Umbria)。清貧の聖者フランチェスコとオリーブの町。小高い丘の上にひょっこり存在する城壁に囲まれた中世の町。昨年11月に訪れたOrvietoを1000年新しくしたようなところ。すばらしくかわいらしい。街全体が白い石作りのレンガ式建築で、雨戸は茶か濃い緑色の木製、同じ形、同じサイズで統一されている。各家の窓辺には、きれいに鉢植えのお花が飾られている。あまりの道のきれいさ(ゴミが落ちていない、犬のうんちがあまり無い)に、「ここヨーロッパみたい!」(注:イタリアは(一応)ヨーロッパ)と何度も言ってしまった。

町の作りは、東西に長く、南北に短い楕円形型。東西に長いとは言ってもせいぜい1キロ強なので、オルヴィエートと同じく、歩いてまわれるサイズ。観光地としては、サン・フランチェスコ聖堂(Basilica di San Francesco)を代表に、いくつか聖堂があるが、基本的には、歩いて美しい町並みを楽しむところ。滞在中は、ガイドブックで建築の説明を読みながら、疲れるまで町を散策。その他は、景色のよいリストランテで食事をしたり、オリーヴの木のお店で素敵なキッチン用品(チーズを置くボードとチーズグレイダー)を買ってみたりと。ミコもほぼ私たちと同じ料理を食べられるようになってきたので、旅も随分楽(彼女用に別の料理を用意しなくてもよい、荷物が少ない)になってきた。

Tripadvisorのレビューを参考に前日に予約したB&Bもビンゴ!バスの停留場から数分の静かな通り沿いにある、石造りのかわいらしい二階建ての建物。部屋はキレイで、日当りのよい角部屋、木のフローリングでバスタブ付き(←高級ホテルでないとバスタブ付きは珍しい!)。唯一、隣の部屋のバスルームと私たちの寝室が隣り合わせで、水が流れる音が多少気になった。でも、これくらいはここでは普通なので文句は言うまい。イタリアの古い建物ではよくあること。H君的には、バスタオルの質が?だったよう。「これ、全部足拭き?!」と真面目に聞いてきたほど、薄かった。(笑)全体的にホテルの価格は安めの町だが、その中でもコストパフォーマンスのとても高い宿だった。おすすめ!

今後は、週末はちょくちょくローマの外にでて、きれいな空気と町を楽しもうと思った。

<行き方>ローマより電車で2時間(片道9.4ユーロ)、駅よりバスで10分(90セント)
<滞在先>B&B Hotel San Rufino http://www.hotelsanrufino.it/(58ユーロ)


4月24-26日  Firenze(二泊三日)
ローマより北280キロ、トルスカーナ州。街全体が美術館のようなところ。フィレンツェ最盛期のルネサンス期(15世紀)の町並みがそのまま残っており、中心部の歴史地区はユネスコ世界遺産に指定されている。

観光は、美しい町をゆっくり歩くだけでも楽しいが、フィレンツェではやはり、メディチ家の財・権力の結晶である美術品、宮殿、教会を見ておきたい。ということで、ダヴィデの像のアカデミア美術館(Galleria dell' Accademia)、ラファエロボッティチェリをはじめとするルネサンス絵画の宝庫ウフィッツィ美術館(Galleria degli Uffizi)を予約しておく。予約料のみで一人4ユーロというのだから、その人気ぶり、混雑ぶりが行く前から伺えた。

予約しておいて正解!行ってみると、そこは長蛇の列。ウフィツィは予約していても、セキュリティチェックで20分近く待たされたくらい。これで予約していなかったら、、、私たちのことだ。とっとと諦めてバールでカプチーノを飲みながら代わりに行くところでも探し始めたことだろう。両美術館とも、子供の頃(20年前)に私は訪れているのだが、かすかにダヴィデ像とウフィッツィにあるミケランジェロの丸い金縁の絵画(幼いイエスをマリアが肩越しに前から後ろに手渡している絵)くらいで、後はまるっきり忘れていた。

ルネサンス期の絵画や、豪華絢爛な教会建築には未だに惹かれない。というより一歩距離を置きたくなる。なんていうのか、完璧すぎて、隙が無いのだ。この感覚は、ラスベガスのストリップやディスニーランドに行った時に感じたのと同じようなもの。ストリップとディズニーランドは、これでもかというほど、あるいは純粋に娯楽(entertainment)を追求しているところ。ルネサンス期に作られた/改築された教会は、すべての権力と財を、不必要なまでにそこに結集させている。この、これでもか!これでもか!光線に疲れるのだ。それでいつも、「え?もう出るの?」とH君に言われながらささっと見ておしまい。個人的に趣味ではないのだが、それでもこの「距離を置きたくなる」感覚をたまに味わうのは悪くない。

その他、ガリレオ展でガリレオの望遠鏡を拝んできたり(普段はフィレンツェの科学博物館に展示されている)、クラフトショーを覗いてみたりと。


<行き方>ローマよりユーロスターで1時間半(片道40ユーロ)、もしくは急行電車で3時間(片道18ユーロ)
<滞在先>One World Apartments, Via Ghibellina, 2 bedroom apartment (special mystery dealで通常180ユーロのところ、一泊50ユーロ+手数料6ユーロ)
<訪問場所>
ウフィッツィ美術館
アカデミア美術館
ピッティ宮殿
大聖堂(Duomo (Cupola壁画と屋上))
ガリレオ展 (" Galileo. Immagini dell' universo dall' antichita al telescopio"
クラフト展 (73a mostra internazional dell' Artigianato)


<旅費>
宿泊(2BR アパート2泊) 106ユーロ
電車(ローマ−フィレンツェ間往復) 115ユーロ
外食(朝食2回とお昼3回) 165ユーロ
美術館など拝観料 50ユーロ
市内交通費 12ユーロ
おみやげ(私用帽子) 35ユーロ

合計 453ユーロ

今回、かなり経済的な旅行ができたと思っていた(例:ホリディアパートが破格、夜は外食せずにアパートで食事、国立の美術館&博物館の拝観料が文化週間のため無料)のだが、書き出してみると二泊三日で450ユーロ(現在1ユーロ=135円)。ほとんど消費活動をしていないつもりでも、旅行=移動するとお金がかかるものなんだなと思った。


フィレンツェで驚いたこと:

1)犬のうんちを片付けている人(飼い主)がいてびっくりした。イタリアで初めてみた光景。ローマでは、注意しながら歩かなければならないほど、あちらこちらに放置されているので。フィレンツェ人てなんてちゃんとしているの!なんてこの一例でまず思ってしまった。

2)町がきれい。ローマに比べるとゴミ、犬のうんちの量が圧倒的に少ない。北に数時間移動しただけで、こんなに違うなんて!

3)人の顔つきも、レストランも、お店も、すべてローマよりも洗練されている。犬も小型犬が多く、洒落た洋服を着させられていたり。H君も私の感想に同意。やはり欧米では、北へ行く程民度が上がってくる傾向が強い。

4)先に独りで寝ていたミコがベッドから落っこちた。幸い、落ちることを想定して、ベッドの下に厚手の毛布を敷いておいたので大事にはいたらなかったが、本人はびっくりして大泣き。普段外泊する時は、ベッドを壁際に移動して、壁からミコ、私、H君と寝る。が、今回はベッドが移動できるタイプのものでなかったため、真ん中に寝かせておいたのだった。


次は、パレルモ(Palermo)へ行こう!